2005-01-01から1年間の記事一覧

2005年の大晦日にあたり

朝、起きると雪が降っていた。たちまちあたり一面、白く染まってゆく。ようやく年の瀬らしくなったと思っていると、あっという間に雪は止み、あとには灰色い不機嫌そうな曇天と融けた雪で茶色く汚れた道路が残った。年はまだまだ明けそうもない。 中国は明日…

報道の自由的ビジネス

北京のインテリ向け一般紙として人気の「新京報」で編集幹部が解任され、反発した一部の記者がストライキを起こした事件があった。続いて広州の「南方都市報」でも副編集局長が解任されたことを、香港紙が報じた。どちらも独自取材を売りにしている新聞で、…

上海領事館職員の自殺について。

上海領事館の男性職員が自殺した事件について。亡くなった直後に徹底的に追求していなければ、今になって中国側に何度目か(?)の申し入れをしたところで、返り討ちにあうのは当然だろう、というのはおそらく皆が思ったに違いない。 もっとも職員が夜のお姉…

治に居て乱を忘れず

あいかわらず、家が壊れ続けている。築およそ3年だが、年数はあまり関係ないらしい。トイレの壁のタイルが落ち、温水器が着火しなくなり、台所の吊り戸棚の扉が落下した。寝室の壁の亀裂も大きくなっているので、そのうち壁ごと落ちてくるかもしれない。 共…

「熟年単身」その後。

場末のショッピングセンターで、強烈な匂いを放つ今にも壊れそうなトイレに入ると、2つある個室は両方とも使用中で、片方のドアの前には、トイレの匂いと同じくらい強烈なメイクのおねえさんがいた。 頬は赤と黄色でまぶたが紫。赤と青が目に刺さるような極…

中国的独自技術

中国のニュース翻訳をしているとしみじみ多いなあと思うのが、「中国が独自に知的財産権を有する××」というものだ。つまり中国の独自技術のことで、たとえば3G(第3世代携帯)ならTD−SCDMA。これが完成していないため、中国では3G解禁が2004年からのびの…

北京的銀座でお試しエステ。

王府井のショッピングセンター内に新設されたエステサロンの1200元コースを200元でできるサービス券をいただいた。これは日本でいうと銀座プランタン内のエステサロンの1万8000元コースを3000円くらいでできるサービス券を頂戴したような感じである。(多少…

熟年単身とクリスマスイブ

週刊誌「中国新聞週刊」に「熟年単身」のレポートが掲載されていた。中国でも35歳でシングルマザーとか40歳の独身女性とか、そんな女性たちが時代の「気分」として語られる。テレビでは美人の独身弁護士たちが繰り広げる恋愛コメディ「律政佳人」とか、同じ…

動物虐待

日本から約1ヶ月ぶりに戻ってくると、エレベーター前に放置されていた隣家のうさぎがいなくなっていた。あいにく隣家と顔を合わせる機会がないので、どうなったかはわからない。小さなカゴの中でほとんど身動きもできなかったウサギの人生について思案する…

処女膜売春とTバック・スキーヤー

Yahoo!中国のニュースサイトに「『処女膜証明』で売春、客に賠償請求される」という記事があった。私はこういうおバカなニュースが大好きだ。 事件の経緯はまず、女が病院で発行された「処女膜証明書」を見せ、処女だからということで客を取る。客はホテルで…

悪夢と宝くじ熱

昼寝が好きだ。北京で暮らし始めたころ、「昼寝は体にいいのよ」と中国人の友人に勧められ、以来、昼寝をするようになった。今では昼を食べるとたちまち、奈落の底に引きずりこまれるような睡魔に襲われる。道端でも寝られると思う。 さておき、太陽がさんさ…

就職詐欺

昨日の続きで、プールの事務所に電話をしたところ、あっさり「期間延長できるよ」と言われた。そう言われても、行ってみたらできないってこともありうるだろと、思わず疑心暗鬼になるのは、これまでもそんなことは日常的にあったからだ。そう思うのは日本人…

割引の落とし穴

10月のある日、市民プールに行くと、ちょうど冬の割引カードが発売開始になったところだった。1月半ばまでで10回180元(1元=13円)。正規料金では1回30元もするのでラッキーと思って手続きをしたあと、2回行っただけでずいぶんサボっていた。 ぼちぼち使…

投げ込みチラシ

立ちんぼのお姉さんが多い通りをタクシーで徐行していると、青年がやってきて、ビラをばしっとウィンドウに挟んで行った。ホテル前などではコールガールのビラ配りも行われていると聞いた。道端を歩いていると、少年たちの集団に取り囲まれ、格安航空券の広…

小泉首相の「ペン外交」

ソニーのデジカメ問題とは話が前後するが、東アジアサミットの首脳宣言署名式で温家宝首相が小泉首相にペンを「貸した」ニュースが話題になった。毎日新聞の報道によれば、小泉首相は自席に用意されたペンを使わず、温首相の方に右手を差し出し、温家宝がペ…

ソニー商品の販売停止

中国で販売されているソニーのデジカメ商品の一部が浙江省工商行政管理局の検査で不合格となり、販売停止命令を受けた。不合格となった商品は13種あったそうだが、このうち何故、ソニーだけが名指しで取り上げられ、また販売停止命令を受けたかについては不…

青蔵鉄道

ゴルムドとチベットを結ぶ青蔵鉄道が、来年7月に運行を開始するという。これで中国全省区に鉄道が走ることになる。初回は北京、上海、広州などの大都市からゴルムド経由でラサまで結ばれる。 高度4500mを超える高山列車のため、飛行機と同様の気圧調整設備…

大学生の性意識と下ネタ携帯メール

北京の庶民新聞「北京晩報」に、北京外語大の女子大生が校内で行った「性調査」の結果が掲載されていた。それによれば、学年別性行為率が最も高かったのが大学4年の女子大生。また「性についての知識があると思う」は61%、「聞いたことある」が35%で、避…

極寒とスポーツクラブ

北京に戻ってきたとたん、氷点下10℃の世界となった。首から上がもげそうなほどである。これは北京に限ったことではなく、テレビのニュースでは、海と山に囲まれ比較的温暖なはずの山東省威海市が大雪に埋もれていた。インタビューに答える市政府のお偉いさん…

カナダ華僑

本日、北京に戻る。カナダ発東京経由北京行きのノースウェストを利用したので、機内は英語を話す華僑で溢れていた。隣に座ったおじさんは、カナダ国籍を持つ北京生まれの北京育ちで、中国を離れて10年になるという。現在はアメリカ系の企業に勤めているとの…

中国人留学生

ひょんな縁で、東京の語学学校に留学中の中国人青年に会った。大学卒業後、すぐに東京へやって来て、現在2ヶ月ほどになるという。 一人っ子政策の第一世代にあたる彼は、今どきの勉強ができそうな中国人学生によく見かける銀の丸眼鏡を鼻にひっかけ、ひょろ…

日本的ケータイとローカルルール

最近、日本の携帯電話が中国で売られているという。これは中国通の友人から聞いた話。非常にローカルな日本の携帯電話が、なにゆえ中国で売れるのかと言えば、最近の3G携帯はGMSやW-CDMAのグローバル通信規格を採用しており、中身のSIMカードを現地の物と交…

都市の無機質度

北京育ちで日本の生活も長い中国人が、「東京の都心は無機質っぽくて、どうも好きになれない」と言っていたことがあった。そのとき私は、タルコフスキーの「惑星ソラリス」に登場するような首都高の近未来的無機質感が好きだと答えたのだが、相手はただ、顔…

海外フリーランサーの税金考

最近、サラリーマンの増税がじわじわと進んでいる。そんなサラリーマン生活をやめて、海外にてフリーランスで働いた場合、果たして税金はどうなるか。収入源が海外にある場合、その国の税法に従うのが基本だが、日本に収入源がある場合はやはり日本で所得税…

携帯登録義務と統制と人口コンプレックス

中国政府は全ての携帯電話利用者の登録を義務付けるという。現在、中国の携帯電話利用者は4億人に迫る勢い。すでにプリペードカード式携帯は登録が義務付けられているが、今回、対象となるのは後払い式の携帯電話でそれも数億人にのぼるというニュースであ…

議員秘書の仕事

8年くらい前、古美術の雑誌を作りながら「編集の学校」に通っていたことがあった。そのころ、私を含め20代の初々しかった仲間はすでに30歳を超えたが、あいかわらずそろって独身である。私の周りは男女を問わず、結婚する友人が非常に少ない。 さておき、そ…

男たちは国境を越える。

仕事で来日中の韓国人Kと日本人Jと、朝まで飲んだ。2人とも仕事はアート関係、年は30代前半の男性で、顔はまるで違うが、どこか似たような雰囲気を持ち、兄弟のようでもある。ひょんな縁からの友達だという。お互い双方の言葉はあまり話せないため、会話は…

新宿3丁目の小料理店

帰国すると無性に焼きたらこを食べたくなる。新宿3丁目に魚を食べさせる小料理店があり、けして絶品というわけではないのだが、帰国後はここのたらこを食べに行く。 店はテーブルを二つ置いた座敷とカウンターがあるだけの小さなもので、夫婦二人で切り盛り…

北斎とブレイキング・ニュースと終戦

東京国立博物館の北斎展で、人に埋もれる。一瞬の動きを止めたような北斎の版画は、その向こう側の別次元へ繋がる小さな入口のごとくである。 渋谷で「ブレイキング・ニュース」を見る。監督は香港映画の重鎮ジョニー・トー。香港の闇社会を描く同監督の「PT…

アピール力

敦煌で新たに5つの莫高窟を一般に公開したそうである。といっても、それに反応する人は、日本でも中国でもある一部のマニアやファンに限られるだろう。今年、敦煌の観光業は不調だったと現地で店をやっている人から聞いた。くだんのニュース記事では、「人…