男たちは国境を越える。

仕事で来日中の韓国人Kと日本人Jと、朝まで飲んだ。2人とも仕事はアート関係、年は30代前半の男性で、顔はまるで違うが、どこか似たような雰囲気を持ち、兄弟のようでもある。ひょんな縁からの友達だという。お互い双方の言葉はあまり話せないため、会話は我流で覚えたという英語となる。


明け方、店が閉まったあとは、韓国人Kの泊まるホテルのロビーへ移動。納豆と梅干をこよなく愛するKは、コンビニで買った納豆巻きをJと私にも分け、我々は糸を引きながら、彼の熱いビジョンを聞いた。それは壮大なドリームで、日本人Jはときどきうなづきながら合いの手を入れる。2人の友達づきあいはそれほど長くないと聞いたが、話をする彼らの姿は十年来の友人のようで、幸福の形にも似ていた。


男たちは、女同士や男女よりも軽く、国境を越えてしまうのかもしれない。