動物虐待

日本から約1ヶ月ぶりに戻ってくると、エレベーター前に放置されていた隣家のうさぎがいなくなっていた。あいにく隣家と顔を合わせる機会がないので、どうなったかはわからない。小さなカゴの中でほとんど身動きもできなかったウサギの人生について思案する。


大学生の動物虐待とその「行き過ぎた」告発について、中国の週刊誌「三聯生活週刊」で取り上げていた。事の次第は、上海の大学で学生が猫を虐待していたところを同じ大学の自称「動物愛護」グループが撮影、「虐待者」の実名入りでネットに公開したばかりか、留学を控えて「虐待」学生の留学先や領事部にも写真を送り、結果、留学が難しくなったというもの。


一般には、猫1匹で学生の人生がぶち壊されてもいいのだろうかと、「虐待」学生に同情的な意見が多い。しかし同時に学校内で動物を飼うことを禁ずる法律はあっても虐待を禁ずる法はなく、告発者の目的は「動物虐待防止法」の建議だったという。確かに中国では動物保護者は少数に留まるが、このカゲキな告発者たちは伝統社会に新たな概念をもたらす可能性もあるというのが記事の主旨。


日本で動物取扱業者の届出制や動物虐待などに関する罰則規定を盛り込んだ現行の「動物の愛護及び管理に関する法律」が施行されたのは2000年。北京市で家庭内の犬の飼育規定を緩和した現行の「養犬管理規定」が施行されたのが2003年。


ペットが安価になったことで増加した捨て犬捨て猫も問題になりはじめているが、人口13億人+2億人といわれるこの国では、ヒトサマの問題だけでも大変だ。個人的には、路上でごろごろウサギも猫も売っている有象無象のペット産業を、衛生面からなんとかしたほうがいいのではないかと思うのだが、そんなことは外国人の余計なお世話かもしれない。


なお余談ながら、最近、私の住む団地の一角にペット関連のグッズショップがオープンした。のぞいてみると最近流行りのペットの服は、輸出用に製造された羽毛入りサンタ服が45元(約600円、実感3000円)、安いものなら30元(約400円、実感2000円)だそうである。