中国的独自技術

中国のニュース翻訳をしているとしみじみ多いなあと思うのが、「中国が独自に知的財産権を有する××」というものだ。つまり中国の独自技術のことで、たとえば3G(第3世代携帯)ならTD−SCDMA。これが完成していないため、中国では3G解禁が2004年からのびのびになっている。


中国の独自技術の背景には「大国たるもの」という意気込みと、ライセンスビジネスに伴う巨大な利権がある。例えば無線LAN規格は現在、アメリカで開発されたHi-Fiが主流だが、中国では独自にWAPIという規格を開発。これを採用しないメーカーは生産、輸入、販売などあらゆる経済活動を禁止すると強気に出たため、海外メーカーが猛反発し、最終的にはアメリカの申し入れ、中国的に言えば「封じ込め」により、協調路線をとる形となった。


その他には次世代DVD「EVD」、国産OS「紅旗Linux」、映像機器用CPU「鳳芯2号」、パソコン用CPU「龍芯」、あるいは独自開発した支線用ジェット機「ARJ」などなど。


どこの国も発展の過程では同じようなものだと思うのだが、中国でも技術はかつての「援助提供されるもの」から、「購入するもの」の段階に入り、さらに「金を生む卵」に変えようと猛進する。もっとも急激な変化のなかでは外側が先に発展し、たとえば知財管理などのソフト面では立ち遅れ、妙なアンバランスが生じるのだろうが。