治に居て乱を忘れず

あいかわらず、家が壊れ続けている。築およそ3年だが、年数はあまり関係ないらしい。トイレの壁のタイルが落ち、温水器が着火しなくなり、台所の吊り戸棚の扉が落下した。寝室の壁の亀裂も大きくなっているので、そのうち壁ごと落ちてくるかもしれない。


共産党の機関紙「人民日報」によると、2005年「共産党十大事件」の筆頭に「先進性教育」が挙げられていた。これは腐敗を防止するため、党員の「先進性」を教育するというスローガン。


続いては昨年、胡錦濤政権が打ち出した「社会主義調和社会」。これはイケイケの成長主義から、都市と農村、開発と環境などの調和を取っていこうという発展路線の転換を示すスローガン。


中国の政治はスローガンだらけで、とかく分かりにくい。しかしそれは中国の人もあまりかわらないようで、たとえば「先進性教育」がいまひとつ実体を伴わないのは、「概念はすばらしくても、解釈がそれぞれで……」などという共産党員の話も聞かれる。


ちなみに、この「十大事件」の付録によれば、今年、共産党員数は6900万人を突破した。日本の人口でいえば、半分以上が共産党員ということになる。増殖する共産党員の問題は今にはじまったことではないけれど、これに関するコメントは「『盛世』であるときこそ、『居安思危(治に居て乱を忘れず)であるべき』だそう。


繰り返し放映される抗日ドラマも、党員が増加を続ける平和な時代のある種の象徴なのかもしれない。