うなぎと羊串とピザの斜塔@中国

起きると、雨の日のアスファルトの匂いがした。北京で雨が降るのは何日ぶりだろうか。あまりに久しぶりなので、傘をどこにしまったか忘れてしまった。


朝日新聞によると、62歳のおじいさんが、スナックの女性をめぐり、口論となった52歳の男性の小指をかみちぎったそうである。朝からなんともワクワクするようなニュースである。


また数日前、水戸市のうなぎやでは、うなぎの油が原因で店が全焼してしまったとか。日テレのニュース番組「リアルタイム」では、うなぎの専門家という養殖場(?)の人が登場して、「うなぎの油で火事なんて聞いたことないですね。(中略)でも、いいうなぎほど油が多いです。(中略)気をつけないといけませんね」うんぬんと語っていた。うなぎの専門家といっても、うなぎの油による火事の専門家ではないのだから、コメントを求められたところで答えようがないだろうに、と思うのだが。


これが北京なら、羊串の炭焼き屋台で、羊の油によって火事が起きるかもしれない。北京の羊肉の串焼き屋はとにかくいたるところにある。新疆料理の一種で、スパイシーでジューシー。屋外に設けられた焼き場では、火にかけられた羊肉から油がボタボタと落ち、ときどき、ぼぼっと炎があがる。串を置く焼き場もその周辺も、炭と羊の油で真っ黒になり、かなり怖ろしげな様相である。これを周に3、4日は食べる私のおなかの方が、いつか火を噴くかもしれない。


また、本日の新華網のトップ特集は、「新農村建設:形式主義を繰り返してはならない」。このところ、農村にかなり気合を入れている中国政府だが、これまでは「形式」だけだったらしい。


おまけに、中国の「斜塔」。傾斜角度は12度、本場、ピサの斜塔よりも傾いているそうである。

評価

前にも書いたのだが、写真家の鷹野隆大さんが木村伊兵衛賞を受賞した。その鷹野さんに「おめでとう」電話をして思ったのは、権威的な賞の受賞は、受賞者はもちろんながら、その作品を観る側にとっても、幸福なことなのかもしれないということだ。


鷹野さんの写真は分かりにくい。最近の作品はもっぱら、女に見える男とか、美少年の裸である。前に個展を見に行ったときは、美少年が上半身裸でズボンを脱ぎかけた等身大以上の大きな全身写真を、真ん中のペニスの部分でちょんぎって、ちょんぎったペニスの写真は写真の裏に貼ってあるといった作品が並んでいた。


こんな写真を見せられると、既存の価値観みたいなのをゆすぶられて、どう解釈していいものやらよく分からない。面白いように思えるものの、本当に面白いかどうか、いまひとつ自分だけでは判断ができない。鷹野さんの写真には、こうしたぐらぐら感みたいなものがある。今回の受賞で、観る側は安心して「ぐらぐら」感を満喫できるようになった。


賞とか評価といったものは、受賞者よりも、実はその受賞者の受け手にとって、意味のあるものではないかと思う。


鷹野隆大「イン・マイ・ルーム」
場所:ナディフ(東京・原宿) http://www.nadiff.com
期間:2006年3月17日(金)−4月23日(日)

私の名は「田奈美(ティエン・ナイメイ)

私の名前は「田中奈美」という。北京の地元系レストランの予約をする際、名前を問われて「田中(ティエンジョン)」と告げると、しばしば「田(ティエン)さんですね」と、「中」の字が省略される。「いや、だから田中(ティエンジョン)です」と返すと、「ですから田(ティエン)さんですね」と繰り返される。中国人の名前は2文字が3文字が多いたため、私の名前も、予約係の頭の中では「ティエン・ジョン」になっているらしい。


知り合いの中国人に「いっそ、「田奈美(ティエン・ナイメイ)」にしよーかなー、でも「奈美」って中国人的にはヘンだよねー」と相談すると、「いや、イマドキ風でナイス!」と手を叩かれた。それで何人かの中国人に「田奈美」ってどう?と聞くと、やはり「ナイス!」と笑う。本当にナイスかどうかはわからないが、なにやらウケるらしい。


中国では最近、「安娜(アンナ)」「麗娜(リナ)」「美美(メイメイ)」といった西洋風の名前が流行っている。また、「日本人ぽいけど、日本人にはいないよな」いった名前、たとえばエロブログで一躍有名になった「木子美」とか、村上春樹の「恋人」という触れ込み(?)で、「ノルウェーの森」ならぬ「ノルウェーに森はない」を書いた「福原愛姫」など、日本人を意識したような名前もしばしば見かける。


ということで、今度から私は、「田奈美」ということにしようと思う。

お知らせのお知らせ

「中国ガオガオブー」のメルマガ発行のお知らせをしましたが、登録フォームに問題があり、登録できない状態となっていました。大変、申し訳ございません。現在はフォームをなおし、ご登録いただけるようになっております。


もしも、これまで「登録したのにできなかったじゃーん」という方や、「登録したつもりだけど、何のメールも届いていない」という方がいらっしゃいましたら、お手数ですが「gaogao(あっと)mr.boo.jp」(あっと部分を「@」に差し替えてください)までご一報いただけますでしょうか。


なお、メルマガご登録後、「gaogao」から仮登録のご案内メールが届きます。このメールを開いて、記載されているURLをクリックしていただくことで、本登録が完了いたします。どうぞよろしくお願いいたします!

メルマガ始めました→メルマガはブログ「中国⇔日本ガオガオブー」に統合しました

「中国ガオガオブー」というメルマガを始めました。中国と日本のちょっと笑えてタメになる(なりそうな)情報をお送りするメールマガジンです。これまでブログでは書けなかったちょっと長めのものをお送りします。毎週月曜の配信で、4月は無料パイロット版となります。面白かったら、引き続き5月からの拡大プレミア版にエールと投げ銭500円/月を送ってください!(マジで)。


パイロット版第1号は、
[今週のニュース・ガオガオ] 日中「友好」7団体
[日中アングラ結婚ビジネス] 2つの中国人妻殺人事件と戦争の記憶
[中国メディア産業] 「1個の饅頭」とネットのコピー文化
でお送りしています。


([日中アングラ結婚ビジネス]より)
滋賀県の園児殺害事件に続き、千葉県では中国人妻が夫にインスリン投与するという殺人未遂事件が発生した。たまたま重なってしまった中国人の妻による事件だが、実は滋賀県の鄭永善容疑者の出身地、黒龍江省通河県と千葉県の鈴木詩織容疑者の出身地、同省方正県は、その距離約20キロメートルの隣町同士である。


無料パイロット版は、下記からお申込みいただけます。
「中国ガオガオブー」http://gaogao.boo.jp/
または
「gaogao(あっと)mr.boo.jp(あっと=@)」
(「お名前」と「Eメールアドレス」をご送付ください)
いずれもご登録から12時間以内に、パイロット版第1号をお送りいたします。


これからさらにもりもりと、情報量も楽しいイベントも増やしてゆきますので、末永いエール(と、今後の投げ銭)をどうぞよろしくお願いいたします!!

IKEAの引越し。

今に始まったことではないが、ただいまダイエット中である。肋骨を折ってから、ろくに運動していなかったので、すっかり太ってしまった。ダイエットには何はさておき「全身鏡」、ということで、北欧家具のチェーン店「IKEA」に行くと、なかなか使い勝手のよさそうなカップが、10元(150円)という破格の値段で売っていた。ステンレスで保温性が高く、蓋付きで旅行にも持っていきやすい。中国の国内旅行では、列車の移動中もマイカップでお茶を飲むため、こういうものがあると便利なのだ。


実はIKEAは近く、引越しをする。カップはそのキャンペーンの一貫で、旧IKEAでコップを購入、今月半ばにオープンの新店舗に持参すると、併設されているカフェで6月まで好きなだけただでコーヒーが飲めるというもの。コーヒー好きのツボにははまるサービスだが、コーヒー党がまだまだそれほど多くないこの北京で、果たしてどれほどの集客につながるかはわからない。


なお、IKEAは市内の幹線道路沿いから、空港に行く途中の町外れへと引越しする。何故またわざわざ7年も続いた店を閉め、不便なところに新規オープンするかといえば、公式の見解では、駐車場も少なく、店自体も商品が増えて手狭になったからという。しかし、タクシー運転手の「見解」によれば、「そんなん、IKEAがあるとただでさえ渋滞がひどい幹線道路がよけいに混むからだよ」とのこと。案外、こっちの方が正しいかもしれない。

七団体訪中

日中友好七団体が、大挙して北京にやってきた。こちらの新聞では大々的に取り上げられ、胡錦濤国家主席が七団体のお歴々に、「参拝の停止は中日主導者の対話の前提」と、がっつり物申したことが報じられている。ついでに同じ新聞の後ろのほうでは、「日本の教科書が釣魚島(尖閣諸島)を日本の領土と記述」したことについて、外交部が日本に「強烈な抗議」をしたことも伝えられている。


七団体の訪中は、中国的には、なかなか有効に活用されているようだが、果たして日本にとっても有効かといえば、ますます「靖国参拝をやめるな!」という声が高まりそうである。