騒音の正体と老北京(ラオペキン)の謎

下の階の大改修工事が終了した。脳みそがひっくりかえるような騒音に、辟易したのは私だけではなかったそうで、大家のおじさんの話では、隣近所にさらに上の階の住人も、みな、団地の管理所へクレームに駆け込んだという。その大工事でできあがったものは、雀荘だった。


中国の雀荘は、おじさんたちのレクリエーションルームのようなものである。特に私の住む団地は、もともと胡同だっため、今でも住人の多くは古くから北京に暮す老北京(ラオペキン)で、ひまさえあれば、道端に小さなテーブルと椅子を出して、中国式の将棋やトランプをしている。


私の棟の1階には、机を2つおいたらそれでいっぱいになる小さな部屋があり、ここでもおじさんたちが集って、将棋やトランプ、マージャンをしている。夜中の2時、3時まで賑わっていることもしばしばあり、廊下には煙草の煙がモウモウと立ち込めている。


そんなわけで、私の家の近所では、彼らに遊び場(?)を提供するマージャン&将棋屋が増えているのだが、私の家の下の空き部屋も、はた迷惑な大工事の末、定年退職した老北京(ラオペキン)たちのレクリエーションの場と変わった。


そして今度は、夜中の2時を過ぎても、人の話声と笑声が下から伝わってくる。かなり盛り上っているようだが、一方、朝は朝で暗いうちから、太極拳をやっているおじさんや、道端で健康踊りみたいなものをしているご年輩の集団を見かける。北京のお年寄りは、いったいいつ寝ているのだろうかと思わなくもない。