北京的社会問題トーク番組

北京テレビで、北京市の社会問題トーク番組をやっていた。眺めていると、キャスターのお姉さんがテーマをあげ、それに関してご意見番みたいなコメンテーターがどうするべきかといった意見を披露するというもののようである。そのときのテーマの一つがいわゆる売春スポット「床屋」さん。


こういうのは困ったことですね〜というのが主題なのだが、キャスターのお姉さんが「店ではどんなサービスをしてくれるのでしょう?」とすっとぼけた質問をすると、コメンテーターのおじさんが「髪、洗ってくれますね。あと、マッサージもしてくれる」などとあれこれ説明。キャスターのお姉さんに「詳しいですね!」と突っ込まれる。


さらにおじさんが「そりゃ、マッサージに行きたくなることもあるでしょう」と言えば、お姉さんは「普通のマッサージ屋に行けばいいじゃないですか」。なんともざっくばらんな進行ぶりだったが、それでも最後は「こうしたものは首都、北京たる都市で、是正していかないとだめですね」とオチがついた。


続いてのテーマは、北京市内にある新疆村(新疆の人々が集まる一角)での騒動。新疆から出稼ぎに来た人々が、路上の空き地に、勝手に木とビニールシートで家を作って暮し、地元住人とのトラブルになっている。中には羊を飼っている人もいて、「違法だ!」と怒る地元住民。北京市内では放牧は禁止されてる、というか、法律以前の問題かもしれないが。


さておき市当局が乗り出し、一斉撤去に取り掛かると、今度は怒り狂った新疆の女性が「やるなら死んでやる!」と包丁を手首に当てて大騒ぎ。なんとか警察が取り押さえ、無事(?)撤去が終わったが、地元の住人は「前にも撤去したけど3日で元通りだよ」とのこと。実際、3日後に再びカメラが入ると、すっかり元通りになっていた。


こうした問題は根本的な解決を図らないかぎり、きっと解決されることはないのだろうが、それにしても、さまざまな意味でアウト・オブ・ルールな人々が多い中国。こんな人々を取りまとめて、一つのビックチャイナを作り上げていかなければいけないこの国の政府は、しみじみごくろうさんなことだと思う。