インク切れ

プリンタ兼ファックスの黒インクがとうとう切れた。前から切れそうにはなっていたのだが、近所の文具店には置いていないということで、そのままになっていた。私の家の周辺は古い住宅街のため、あまり大きな店はない。しょうがないので、一駅隣の古めかしいデパートに行くと、薄暗いフロアの場末なショーケースの中に、国産インクがあった。


純正ではないが、型番は同じなのでたぶん使えるだろう。国産のものは品質が悪く、有毒で体に悪いと言われるが、正規品がないので背に腹は変えられない。買おうとすると、お店のお姉さんは「もしも使えない場合は3日以内に交換します」ととても丁寧に説明し、金を払って商品を受け取った後もまた、「3日以内なら交換できますから」と繰り返した。


それはもう感動するほど丁寧な対応だったのだが、帰って箱を開けて理由がわかった。すでにだれかが開けて返却したものらしく、中のビニールは切られ、インクの出る部分にはインク漏れと乾燥防止用にセロテープが貼られていた。


その場で開けて確認しなかった私がマヌケといえばマヌケだが、とりあえずセットしたら使えたのでいいことにする。こうやって、だんだん中国に慣れてゆくのだと思う。