グーグル中国

いよいよ年末である。心なしかスモッグのかかった北京の空にもアッパレ感が漂っている。テレビ番組は春節モードで、CMでは高級酒やらなにやら新年の贈答品の宣伝が賑やかだ。すでに「過年」に入り、あちこちで爆竹をバンバンやっている。13年ぶりの爆竹解禁で、団地の掲示板には「ベランダで爆竹をやるのはやめましょう」などと、爆竹使用に関する細かい指示が貼られている。


掲示板にはまた、「各階の倉庫の物や廊下の物を片付けるように」というお知らせもある。北京の団地は、ドアの前の廊下やエレベーターホールがときどき私物の物置と化している。長らく階段の踊り場に置かれていたタンスにも、「××日までに移動しないと撤去します」と紙が貼られていた。


話変わって、グーグルが中国で検索機能の限定サービスを行う。(http://www.nikkei.co.jp/china/news/20060125c2m2501925.html)これでヤフーに続いてグーグルも当局と手を組むことになってしまった。現在、ヤフー中国で「チベット独立」を検索するとヒット数は19件。ググった場合は151万件。グーグル中国ではヒットする中国語版ウィキペディアの「チベット独立」もヤフーではヒットしない。もっともヒットしたところで、最近の中国語版ウィキはアク禁だが。いずれにせよ、グーグル中国もヤフーのごとくなってしまうというのは、大変いかがな事なのである。


このところ、「新京報」の編集幹部や「南方都市報」の副編集局長が解任になったり、共青団の機関誌「中国青年報」の付属週刊紙が中国の教科書批判をして発禁になったり(http://www.asahi.com/international/update/0125/014.html)、このところメディア規制のニュースが続いている。もっとも中国の教科書批判記事は、批判記事を出したこと自体になにやら別の裏がありそうだが。


それにしても何かと中国の人権問題を槍玉に挙げるアメリカだが、本気で中国の民主化を望んでいるかといえば、ホントは民主化しないほうが商売になっていいのかもしれない。