食べられないパン屋と60円の幸福

近所にパン屋ができた。のぞいてみると、パウンドケーキは白くしぼんでおり、マフィンは黒く固かった。チョコレートマフィンかと思ったが、普通のマフィンだった。北京の地元系パン屋には、果たしてこの商品は食べられるのかどうかと考えてしまうような店が少なくない。そして北京の地元系パン屋は美容院とおなじくらいいたるところで増殖中だが、西欧的センスとモードの解釈において、根本的な感覚が違うと感じる点で、両者はよく似ている。


一方、このごろミニみかんが旬だ。大きさはきんかん程度だが、見た目は普通のみかんで、みかんのなりそこないのような感じ。しかし果汁は濃厚で甘みが強く、食べだすと止まらない。思わずむさぼり食ってしまう。500グラムで60円くらい。幸福の60円である。