将軍さま帰国

金将軍がお帰りになり、てんやわんやしていた北京駐在の日本のメディア関係者も一段落というところのようだ。日本では、金将軍のピンポイント映像がお茶の間にがんがん流れていたのではないだろうか。一方、中国では、将軍様の帰国後、ようやく胡錦濤との会談の様子などを伝える簡潔ながら格式ある友好ムード漂うニュースがメディアに流れていた。所も見方も変われば、当然ながらニュースはまるで異なるのだということを改めて思う。


さておき、もしも日本にいたら、ある意味「どうでもいい」将軍さまのおっかけ映像とその騒動に食傷していただろう。ただ北京にいると、駐在している日本のメディアの人からは、中国の政治動向をつかむことが主たる業務となり、なかなかあちこちに出掛けてはゆけないという話を聞く。そして今回の騒動ですれ違った日本メディアの人々の、抜いた抜かないという様子を見ていると、彼らにとってこれはある程度「燃える」仕事であったのではないかとも思う。もっともそこには慢性的に語られる日本のメディアの問題があり、その慢性さから学ぶべきことは少なくないと思うのだが。