「男人装」

いまさらだが北京の男は、おおむねダサい。ホワイトカラーと呼ばれる金を持っているはずの男性群でも30代以上はおよそダサい。かっこいい!と思える男に街中ですれ違う確率は非常に低い。


これは中国で発行されている男性ファッション誌が少ないせいだと思っていたら、最近、売れ筋の男性誌があるという。それが「男人装」である。中国の出版業界紙でも成功した男性ファッション誌として名前があがる同誌は、週刊誌「新週刊」で2005年度の新鋭メディア雑誌大賞に選ばれた。


そのイケイケぶりは中国版のホワイトカラー向けちょいワル雑誌である。表紙に胸元がちょっとひらいた女性の写真を起用し、中にも女性のセクシー写真を満載している。プレイボーイほどカゲキでないところがエロ規制の厳しい中国の雑誌だが、全体的にはモノマガジン的要素とプレイボーイ的要素が混じる。そして「財富的G点(富のGスポット)」とか「男人的第1次(男の初めて)」とか、そこはかとなくエロさが漂うところが売れ筋のポイントなのだろう。


ちなみに「男人的第1次」は「最初にナイショの恋をしたのはいつ?」といったグラフが並び、まじめなレポート風でありながら、男女のからみの写真がカットに使われていたり、グラフの質問事項が「最初にアダルトビデオを見たのはいつ?」とか「最初のコンドームを使ったのはいつ?」といったものであったりする。


しかしそれにしても、男性ファッションに関する記事がほとんどない。おまけ程度に後ろのページについているだけで、これではまだ当分の間、北京の男はカッコよくはなりそうもない。