プール改装

近所の市民プールで期間限定の10回割引カードを購入し、2回だけ使って帰国して戻ってくると突如、改装工事が始まり、その間にカードの期限が切れてしまう、という不幸な出来事があった。


事務所では1月に入れば改装も終わり、カードの期間の延長をすると言われたが、対応がころころと変わる中国では、そんなものはあてにならない。半ば絶望的な気持ちで、1月に再び電話をしたところ、先方のおじさんは「改装?終わったよ。ピカピカだよ!」とノリノリだった。


ためしに行ってみれば、今度は窓口のおばさんが「カード?延長できるよ、大丈夫!」とノリノリで、2ヶ月分を延長した新しいカードをあっという間に作ってくれた。さらにそれまでおどろおどろしかった脱衣所はすっかり明るくキレイになり、プールの震えるほど冷たく濁っていた水も透明な温水となっていた。また客はほとんどおらず、広い50メートルプールをほぼ独占状態だった。


中国では、不条理なまでの理不尽さで物事が上手く運ばないことが少なくない。上手く行っても次の瞬間、どん底に落とされるようなこともある。こうして万事が上手く運んでしまうと、かえってつまらないこところで大事な「ラッキー」を無駄遣いしたような気もしてくるのである。