「保姆荒(お手伝いさん不足)」

民工荒(出稼ぎ労働者不足)」という言葉が2004年ごろから脚光をあびたが、春節前のこの季節、「保姆荒(お手伝いさん不足)」が話題に上る。


中国都市部の中流家庭以上では、お手伝いさんのニーズが多い。中国的統計によれば、都市部の約8000万家庭のうち3割以上がお手伝いさんを雇ったことがあるという。彼らは家事のほかに、共働きの両親に変わって子供の面倒をみたり、ご老人の世話をしたりする。


値段はピンキリだが、掃除などの簡単な作業をお願いして1時間10〜15元(130〜200円)ということもあれば、外国人専用マンションで働く1時間100元(1300円)以上の「高級お手伝いさん」もいる。


最近は大学生が月給1500元程度のバイトとして、お手伝いさんをするケースもある。新卒の平均月給が2000元程度なので、なかなか割りのいいバイトなのである。もっとも大学生の間では「お手伝いさん」ではなく、「現代家政」などと言われているそうだが。


さてそのお手伝いさん、中産階層の増加とともに慢性的に不足している。特に春節前にはお手伝いさんたちも帰郷してしまうため、深刻な人手不足に陥る。北京のインテリ新聞「新京報」の社説では、「保姆荒の危機にはまだ解決方法が多くある」などという論説が掲載されていた。「保姆荒(お手伝いさん不足)」は今の中国のちょっとした社会現象なのである。