統計改革

国家統計局が独立調査を行えるよう、中国の統計法の細則が改正された。日本の至極一般的な日常生活にはおよそ関係のないことだが、中国と関わる者にとってはがんばってほしいところである。中国の統計がおよそあてにならないことはよく知られている通りで、「どうしてこんなに数字があわないだ〜」という日本人ビジネスマン、調査員、研究員などの嘆きは、同時にジョークでもある。


何故、これほど数字があわないかといえば、1つは意図的なごまかしのため。たとえば中央からのプレッシャーがきついので、ちょっと水増しして書いちゃったとかその類のもの。もう1つは構造的問題。


たとえば中国で戸籍を持つ人口は13億人だが、それ以外に一人っ子政策や農村で男子を重視する習慣から、生まれて来たものの社会的には認知されない、つまり戸籍を持たない人口が2億人いるともいわれる。彼らはいないはずの存在なので、それを正式に統計する手段はない。


今回の改正では、ごまかしをなくすために、統計局の調査隊が独立調査を行えるようにし、違反が見つかった場合は、5万元(約65万円)以下の罰金などに処すというもの。5万元とはお安い感じもするが、それはさておき、日本では何気なく数字的根拠として登場する統計データも、真面目にきっちりやるには専門的テクニックと経験とシステムがいるのだということを実感する。