空ペットボトルのお値段と廃品回収業

北京ではペットボトルが熱心に回収されている。路上でお年寄りがゴミ箱からペットボトルを回収している風景もよく見かけるし、団地の中ではおじさんやおばさんたちが長い棒などを持ってゴミ箱をかき回している。前の大家のおばさんも、私の家から空のペットボトルや古新聞を回収していた。


何故、こんなにリサイクル熱心かといえば、近所の廃品回収所にて有料で交換してもらえるからである。試しに回収所に持ち込むと、ペットボトル6本と古新聞1ヵ月分で6元(約80円)になった。ペットボトルは1本1角〜1.5角(約1.3〜2円)、新聞は1㎏で5元(約65円)程度。たかがしれた金額ではあるのだが、6元といえば、北京の安食堂で1食分くらいにはなる。


回収業者によれば、回収した廃品は2割増しの金額で、リサイクル業者に売るのだという。
そもそも文革時代は国策として行われていた資源の再生再利用。現在、その制度は崩れたものの、この国の人々はリサイクルに熱心だ。そして廃品回収業は初期投資のかからない、ちょっとした庶民の儲け商売なのである。


余談ながら、廃物資源は国内の供給だけでは足りず、海外からも輸入している。日本から大量に輸入されていたペットボトルは、中国政府の環境取締りが厳しくなるなか、昨年、安全性が問題となって直接輸入が停止された。