中国の漫画アニメと社会主義の先進文化

中国の大手漫画雑誌「漫友」主催の中国語漫画アニメ大会があった。これは昨年から始まったもので、新人賞の授賞式を中心にその年の人気漫画を表彰、漫画アニメフォーラムを開催し、業界関係者を呼んで講演を行う。


中国では国策として、特にアニメ産業は政府が強力に推進している。各局にアニメチャネルを設け、国産アニメの放映は6割を下ってはならないなどの規定もある。各地では漫画アニメイベントも盛んに開催されている。上記の漫画アニメ大会はそのひとつ。


では実際のところ、中国の漫画アニメ産業はどうかといえば、漫画は画力があってもストーリー展開が単純で、一世風靡するほどパワーのある作品は出ていない。アニメは「藍猫淘気(わんぱくブルーキャット)」が成功例と言われ、キャラクタグッズ店が全国展開するほどの人気をよんだが、現在のとろは子供向けに留まっている。中国のアニメ制作会社の社員は、制作コストに見合う回収がしにくいとも言う。


一方、外国の漫画やアニメは版権許可が通りにくく、公式な発売や放映は限られる。アニメ情報番組で放映される外国アニメのカットシーンの許可申請も必要で、許可されていない映像を放映した局には警告が出されていた。しかし外国企業にチャンスがないわけではなく、出来上がったコンテンツ商売よりはシナリオなどのパーツやノウハウはビジネスとなる。


なお、「中国のアニメ産業発展の若干意見」という政府通達によれば、「アニメは社会主義の先進文化を建設するための重要な要素で、民族精神の発奮、道徳情操の向上、…(中略)に重要な影響を与え、特に少年児童が正確な世界観、人生観、価値観を養い、大いなる志向、高尚な情操…(中略)に重要な意義がある」のだそうである。