中国3G

今年も残り2ヶ月となった。中国通信界では、今年こそは3G(第三世代携帯)解禁といわれていた2005年だったが、話はどんどん伸びてゆく。そもそも去年も「今年は3G年!」などと言っていたはずだが。


海外ではすでに始まっている3Gが、どうして中国ではこんなに遅れているかといえば、独自の3G規格にこだわっているためである。中国では現在、自国規格のTD-SCDMAを開発中で、これが遅れに遅れている。しかし先日テスト結果も発表され、メーカーも対応機種の開発に入り始めている。「来年6月には」などという権威筋の発表があったり、「オリンピックまでには一部の地域で」という話も聞かれたり、挙句は当局から「マスコミは3G解禁時期について、むやみやたらと憶測を広めないように!」というお達しまで出ていた。


通信業は国の政策と深く関わる。通信キャリアは固定電話も移動電話も国営企業である。3億人を超える携帯電話利用者をかかえる中国では、できれば3Gのライセンス料で一稼ぎしたいところだ。それになんといっても「独自規格」という響きもすばらしい。ということで、かなり真剣に資金を投じており、業界でも3G熱で盛り上がっているようには見えるのだが、このごろは「3G到来!」の掛け声も少々お疲れ気味なのである。