ポプラ社の絵本書店

日本の児童書大手ポプラ社の絵本書店が、北京にオープンした。戦後60年、初の日系書店で、北京の絵本専門書店としても初、さらに2003年に外資に書店経営が開放されて以来初めて認可を得た独資書店と、トリプル初のオープンだった。


絵本は、中国では認識が低い。一昨年ごろ、台湾絵本作家のジミーがブレイク、「向左走、向右走(君のいる場所)」の映画版も受け、ドラマ化もされたが、それはあくまで「大人の絵本」だった。児童書といえば「科学の秘密」とか「書き方練習張」といった教育系が大半を占める。そこには一人っ子政策下の教育ブームと受験戦争の丸暗記詰込型勉強法が反映されている。


しかし同時に今後、親の世代は禁欲の文革世代から、物質的にも恵まれた自由な世代へと移行し、特に都市部のホワイトカラー層は、親の考え方も多様化する。時間はかかるだろうが、絵本マーケットはなかなか期待されるところなのである。