神舟ドラマと権威意見

北京テレビで30回連続ドラマ「神舟」がまもなく放映される。これは前回の有人飛行をテーマにした内幕を描くドラマで、お知らせCM映像によれば、仲間の絆あり、家族愛ありのカンドーの愛国英雄ドラマである。また、北京テレビのサイトの紹介文によれば、「『奉献』は『神舟』の精神であり、民族の精神」とのこと。ちなみに連続ドラマは20回程度のものも少なくなく、30回とはなかなか視聴率を見込んだ回数なのである。


中国のニュースを見ていると、ときどき「『権威意見』はまだ提出されていない」といった報道を見かける。これは権威筋の意見といった意味で、権威筋は政府の関係部門や関係者を指し、水戸黄門の印籠的役割を果たす。食品保護ラップの発がん性物質騒ぎでも、当初は「××といったことが言われているが、『権威意見』はまだ」という報道のされ方をしていた。


またこの「権威」はメディアで、技術フォーラムでの「権威回答」、出版業界の今年度の動向に関する「権威解説」などというふうも使われる。私のような一介の外国人には、なにやら神様だのみのような「権威」だが、本音とタテマエの二層で動くこの国の社会にあっては、これがなくては物事が始まらないというある種、重要な表看板なのだと思う。