野菜カッターと現地化と内と外

現地化のことを中国語では「本地化」というが、テレフォンショッピングも本地化するのだなあと思うのが、野菜カッターだ。千切りから薄切り、なんでも切れるカッターなのは変わりないが、それを応用して飾り切りをやってみせ、中華の豪勢な飾り切りつき料理が出来上がる。日本ならキャベツの千切りとかになるだろうか。「ほ〜ら、こんなに簡単!」と、かぼちゃやなにやらをくりぬいて数段重ねた中華料理が出来上がり、「おお〜!」という感じ。しかしよく考えたら、野菜を切れるだけでは料理はできないのだ、と料理オンチの自分としては思う。


テレフォンショッピングには痩せる系の商品が多いが、「痩せるストキング」なるものもある。要は「痩せて見えるストッキング」で、締め付け効果で1cmは変わるというもの。穿いているストッキングをチョッキンと切ると、ぶにゅうっと肉がはみ出して、「すごい!」というより恐ろしい。


中国のCMの特徴なのかもしれないが、効果がハデにダイレクトに伝わるものが比較的多い。そしてときどき、上記のストッキングのようにダイレクトすぎて引くものがある。たとえば出血しやすい歯茎に効果という歯磨き粉のCMでは、男性が歯を磨いていて「ん?」と顔をしかめ、歯ブラシを見るそこに血がというシーンで、血を模した絵の具つきの使い古しの歯ブラシがドアップになる。


歯磨き粉といえば、歯が白くなる歯磨き粉のCMはとにかくよく流れている。歯磨き粉に限らず、白くなるCMは女性向けの顔クリーム、ボディソープなど各種あり、とにかく頻繁にCMが流れるので、13億人総じて白くなりたがっているようでもある。


洗濯でも白く清潔に、石鹸でも殺菌して清潔に、なんだかきれいでピカピカなCMは多いのだが、街は相変わらずあちこちにゴミ。最近、気付いたのだが、以前の大家のおばさんも今の家の隣の家族も、家の中はピカピカにしているのに、玄関前にポンポンとゴミを棄てている。


内は綺麗にゴミは外、ということなのかもしれない。