おしゃれビル

北京の西側から東側に引越しをして、北京の中心街に出ることが多くなった。こちらはおしゃれビルとでもいうのだろうか、オフィス、住宅、ショッピング街が一帯となった今風デザインのビルが続々と増えている。少々語弊はあるが、六本木ヒルズの小型版みたいなものである。


特に北京の中心ビジネス街は「CBD(中央ビジネス区)」と呼ばれ、こうしたビル群が集中する。地下鉄駅の広告ではマンハッタンのごとき街並みのエグゼクティブなものや、若い世代を意識したシカゴのごとき街並みのビル群を見かける。


実際に行ってみると、確かにできたばかりの高層ビルが青空をバックにそそりたち、制服をきっちり着込んだセキュリティスタッフが敷地のあちこちに立って、高級感とおしゃれ感が漂っている。ただ、そのとなりでは、日焼けした出稼ぎ労働者のおじさんたちがレンガを運んでいたり、裏では同じ敷地内のビルがまだ骨格のままであったりする。


おおむね完成したところからテナントが入るため、ビルの中は虫食い状態で、オフィスが入っているところでも、目の前の廊下では内装工事をしているなどということもよくある。


ショッピングスペースに、ようやくぼちぼち店も揃い始めたかと思うと、すぐにつぶれてなくなったり、新しい店が増えりする。最初はなかなかオシャレな店を入れているなと思ったら、どんどん店が変わって、なにやらしょぼい感じになっていったりもする。


早送りのフィルムみたいにぐるぐると変わる北京のおしゃれビルが、本当にぱりっとおしゃれになるには、あるいは2008年のオリンピックくらいまで待たなければならないのかもしれない。