えげつなさ

今回、神舟6号の打ち上げが生中継されるというので、目覚ましをかけておいたのだが、いつのまにか止めていたらしい。起きたときにはすでに宇宙に飛んで行ったあとだった。


CCTVの総合チャネルでは、神舟6号特番が続いている。昨晩のフィルムの使いまわしもしており、なんとなくやっつけ感がいなめないところが、中国のテレビらしい。「らしい」といえば、たとえば打ち上げシーンの再放送を示す表示にも、「精彩回放(すばらしき再放送)」などと修飾句がついている。


中国の修飾語は、極彩色の中国装飾を見るがごとくである。友人の結婚式では司会の中国人男性が、通訳の日本人が目を白黒させるほどふんだんに修飾句を駆使し、新郎新婦を祝福していた。言葉とは、こんなふうにものごとをあでやかに彩れるものだと知る。


神舟6号に染まった中央メディアではあるが、その他のニュースに東シナ海のガス田に関するものがあった。月初、東京で開かれた日中局長級協議で、日本側が中国側の開発中止などを前提とした共同開発案を提案した件について、「柔性攻勢暗蔵殺機」とタイトルがついている。すなわちこれまでの強弁姿勢からの軟化には、中国潰しのウラがあるとするもの。


自らの利益を有利に得るために、えげつなさが必要であるとするならば、日本はおおむね、この点において中国には劣る。さらにもっとえげつなさを磨いてもいいかもしれない。