神舟6号

昨日に続いてまたテレビをつけると、CCTVの総合チャネルで、軍服姿の美人が晴れやかに歌を歌っていた。バックには国旗が翻り、男性コーラスが力強く盛り上げている。妙に共産党的番組だなあと思ったら、それは「神舟6号」の打ち上げを明日に控えた特番だった。


中国の宇宙開発とそれを伝えるメディアの報道は、力いっぱいお国を背負っているので、外国人の目には奇妙な出し物のように映る。ちょうど来年からの第11次5ヵ年計画が採択されたところなので、こうして国の威信を内外に知らしめるという意味もあるのだろう。前回の「神舟」ブームを思うと、「神舟」にあやかった消費の拡大も期待できる。


中国の「神舟6号」があくまで共産党の威信と国の力を誇示するものであるとしても、抗日戦争記念で国の威信を示すより、よほど現実的だと思う。歴史は、学ぶべきものではあるけれど、それに向き合いすぎるとおかしなことになる。ただ、いずれにしても日本にとってシビアな状況をもたらすことには変わりない。


ところで、中国のメディアは国を背負う。以前、イラクに行った話を中国人にすると、「中国ではイラクに派遣された記者は戻ってくると昇進するが、日本はそうではないのか」と聞かれたことがある。日本ではメディアは国の機関ではなく、ましてやフリーランスがふらふらイラクに行くと、「自己責任!」と責められる。そんな話をすると、海外旅行は遠い夢というその人は、明後日の天気を話しているような顔になった。