白領麗男(イケメン高給取り)と月光族

離婚歴のある男性が「二手男人(アールショウナンレン・中古男)」ならば、ホワイトカラーのイケメン高給取りは「白領麗男(バイリンリーレン)」と言うそうである。


週刊誌「新聞週刊」によれば、例えば23歳の某青年は大学卒業後、雑誌社に勤務、サイドビジネスでは得意の英語を生かして英語学校の教師、月給は1万元(1元=13元)。ちなみに北京の新卒サラリーマンの平均月給は2000〜3000元である。


同青年は、基本的に服は国内では買わないと言う。なぜなら「僕の好きなブランドは、国内で買うと高くつく」ので。それで最近の戦利品は、「フランスのデパートで買ったシスレーの2000ユーロのスーツ」とのこと。肌のお手入れにも気を使い、保湿を欠かさない。香水は7、8種類持っている。


私の日常生活ではあまり縁のない話だが、先日、北京の六本木、三里屯でぶらぶらしていると、ジュエリーショップにこざっぱりとした30代風のイケメンがいた。男は800元(およそ1万円)のシルバーブレスレットをプレゼント用に購入、ポンと金を払ったところで携帯が鳴り、「ウェイ」と中国語で出た後、会話は英語に切り替わった。「白領麗男」もいるところにはいるのである。


最近、北京テレビで再放送中の国産トレンディドラマ「律政佳人」にも、オシャレな「白領麗男」が登場する。もっともあくまで主人公は4人の美人弁護士で、イケメン高級取りは脇役にすぎないなのだが。


ストーリーは4人の女性弁護士をめぐる笑いあり涙ありのコメディ。そのバブリィさとイケイケ感とドラマチックぶりは「SEX and the CITY」と「アリー my Love」を足して2で割ったような感じ。オフィスでのエッチなシーンあり、大学生の妊娠ありで、私生児も登場する。統制の厳しい中国メディアではなかなか画期的なのである。


なお、中国ではここ数年、特に都市部の20代を中心とした若者の消費が高まっている。一人っ子世代の彼らは給料をもらうとすっからかんになるまで使う。それは主に服代や交際費に消える。そして夜はバーやクラブを漂う。こうした彼らは、「月光族」と呼ばれている。