大学生の自殺と大学院流行り

大学生の自殺が増えているという。北京のインテリ向け日刊紙「新京報」の報道によれば、北京の大学レベルの学校で、今年に入って自殺した学生の数は15名。大学数校で行われた自殺情況調査では、約200名の回答者のうち3分の1が自殺願望ありと回答、大学生を対象にしたネットの流行語調査では、「憂鬱」が100分の55ポイントを獲得して第一位だったという。


中国の受験戦争は日本以上に厳しい。大学への進学率は約20%、以前よりも広き門になったとはいえ、文革世代の親が一人っ子にかける熱意と金と期待のプレッシャーは重い。また、猛烈な受験勉強で念願の大学に合格しても、最近は大学生の増加から、大手企業への道が必ずしも約束されるとはかぎらない。新卒学生の就職難も問題となっている。


「ユーウツ」なのは大学生ばかりではない。例えば大手国営企業に勤める超エリートの知人は、最近、胃痛でお昼はいつもお粥なのだという。かつては国の機関であった彼の就職先も、最近は国営ながら企業化し、自前で稼がなければならなくなった。上からのプレッシャーは重く、競争は厳しい。


こうしたなか、「考研(大学院受験)」はちょっとした時流である。より高学歴が重んじられる中国では、社会人が大学院に入り直しステップアップをはかるケースも少なくない。全国の「考研(大学院受験)」情報を配信する専用サイトもあり、大学の掲示板には大学院受験を指導する広告があちこちに貼ってある。


「培訓(ペイシュン・ビジネストレーニング)」もまた盛んで、オフィス街には「培訓(ペイシュン)」をうたう看板が並ぶ。企業内に培訓システムを持つところもあれば、IT、語学、ビジネス上の専門資格を取得する学校もある。上記「新京報」の記事によれば、そうした専門学校をわたり歩きながら、結局、どれも身につかないというケースも少なくないという。なにか、日本でもよく聞くような話なのである。