「廟会」と伝統ブランド

n_tianzhong2006-01-30

地壇公園の廟会に行く。北京の旧正月の風物詩といえば廟会(ミャオフイ)だ。中国版縁日で、寺の近所や公園に屋台が並ぶ。老北京名物、伝統工芸品や中国式風車にホラーなお面、ピンクでパンクのかつら、輪投げ、バスケットボールゲームとなんでもありの新旧ごった煮風。


進んでゆくと、新疆料理の羊のジャンボ串焼きに、山のような人だかりができていた。見れば1串10元(150円)。確かにサイズは少々ジャンボだが、一般的な価格は1元〜2元。10元といえばそのへんの食堂でたらふく食事ができてしまう金額だ。けれどみな、100元札をちらちらさせながら、おしあいへしあいで買ってゆく。


まっすぐ前に進めないほどの人の波を、掻き分けもながら先に進んでも、まだなお人の壁がある。向かいからは大人も子供も美人もおっさんも、串焼きやらモツ煮やらサンザシの飴がけやら臭豆腐やらを片手に、むしゃむしゃやりながら突進してくる。すれ違う臭豆腐がまた、独特の異臭を放つ。


今年、北京の廟会には集った人の数はざっと70万人という。彼らは老北京の「ムード」に消費する。「廟会」は伝統というブランド商品なのである。