部数の透明性と「少年跳躍」

中国の出版業界紙に「中国図書商報」という新聞がある。売店売りはしていないが、定期購読をすると毎週1回、届けてくれる。全国津々浦々の出版情報のほか、特集にも力をいれおり、新時代の書店経営やら勝ち組雑誌のネット戦略やらと各種のテーマを提起する元気な業界紙である。


その中に「日本の雑誌販売の透明性が前身」という記事があった。海外の情報はあまり載らないのだが、たまにこんな記事を見かける。内容は日本雑誌協会が雑誌の発行部数を交渉部数ではなく印刷実数で公表し、透明性を高めるとした2004年のニュースを紹介したもの。情報としては何でいまさらという感があるのだが、部数のアバウトさと非透明性は中国の出版界でも大きな問題の1つである。


「正確な数字は広告価格の根拠となるものであり、部数の少ない雑誌でも読者ターゲットを正確に捉えていれば、広告媒体として十分な力を発揮する。このため雑誌にとって重要なのは、自身の内容をよりターゲット層に近づけ、読者と広告の緊密性を深めることだ」と締めている。最近、「マーケティング」流行りの出版界らしい記事なのである。


なお記事中には日本の雑誌の部数一覧が掲載され、中国語で日本のコミック雑誌が並んでいた。たとえば「少年跳躍」「親密」「少年星期日」「大型連環漫画」など。これらはおそらく「少年ジャンプ」「なかよし」「少年サンデー」「ビックコミック」のことと思われる。